沸騰水型原子炉(BWR)透視図
沸騰水型原子炉(BWR)透視図
サブレッションプール(圧力抑制室プール)とは、沸騰水型原子炉(BWR)の原子炉格納容器の下部に設置されている原子炉格納容器内の蒸気による内圧上昇を解消する為の機構。
蒸気の供給源は、原子炉圧力容器の蒸気による内圧異常上昇を防止するために設置されてある主蒸気ノズル。

主蒸気ノズルから原子炉格納容器に排出された蒸気は、サブレッションプール(圧力抑制室プール)に貯められた冷却材によって冷やされ水に戻る。結果、内圧が下がる。

サブレッションプール(圧力抑制室プール)の形状は、MarkⅠ型(フラスコ型)は、原子炉格納容器の下部に独立してドーナツ型に、MarkⅡ型(釣鐘型)は原子炉格納容器の底部外周にそって設置されている。
MarkⅠ型、MarkⅡ型共に中央部に冷却材が配置されていないのは、によって原子炉圧力容器を突破し落下してきた燃料で水蒸気爆発が発生しないようにである。
中央部は分厚いコンクリートで防御されており、いわゆるチャイナシンドローム(ブラックジョーク)を防ぐ。

MarkⅠ型のドーナツ型サブレッションプール(圧力抑制室プール)は古くから沸騰水型原子炉の弱点と認識されていた事が次の資料(pdf)から読み取れる。
資料1 資料2

今回起こった福島第一原子力発電所2号機の事故は、地震・津波・ヒューマンエラーなどの複数要素と、ドーナツ型サブレッションプール(圧力抑制室プール)の弱点などが不幸に結びついて起ったと考えられます。
そして、政府発表の流出した放射性物質が蒸気であるか液体であるかわからないというのは、ドーナツ型サブレッションプール(圧力抑制室プール)の破損が上部なら気体。下部なら液体という見えない破損であるからと結論付ける事ができます。

更に、旧型原子炉のMarkⅠ型を長期延命してまで稼働させている原因として、反原子力団体の原子炉新設の妨害が関係していると付け加えておきます。
反原子力団体の人間は、電気を使わないのでしょうか?

最後に、今回の事故状況はマスコミの情報に頼っていても無駄に不安感を増幅させるだけなので、BLOGSさんのこの記事や、そこで紹介されているDr.Josef Oehmenさんの解説(翻訳文)を読んでみて下さい。