「だからそう言ったんだ!」

彼は背を丸め、絶体絶命の恐怖を経験したことによる体の振るえと、命を拾う為に命を削ったという矛盾からくる疲労で、嗚咽とも喘鳴ともつかぬ音を奏でていた。


-- 静寂 --



しばらくして彼は、額に張り付いた黒髪を手の甲で数回たくし上げ一息吐くと、静かに慎重に、そして噛み締めながら語り始めた。

「僕は最初からわかってたんだ。」

「あいつは恐ろしく大きく、それでいてとても静かで素早い。」

「殺すんだ。あいつはたくさん殺す。でも食べる為じゃない。食欲はあまり無いんだ。」

「その恐ろしい目から出る光で僕らの網膜を焼いて、そして・・・」






サイレントキラー
逃げて~逃げて~ネコ逃げて~

というわけで、エコカー減税の追い風も受けて快進撃のハイブリッドカー。
登場当時から噂されていた『静か過ぎて危険なんじゃないの?』が、その進化と共に現実味を帯びてきて、遂に実証実験。
そしてその対策を考えるようになってきました。

対策というのは、エンジン音と同レベルの音を出すという事らしいのですが、
エコと同時に静寂性を追求していたのに、音に関しては逆行する感じに・・・
しかも、国土交通省が『チャイム』や『オルゴール』のようなものの装備義務化を検討しているという。。。
ま、言葉の綾なのでしょうが、説明方法がいかにもお役人っぽいですよね。

実装は、音波や赤外線のセンサーで対象物(人)を関知して、指向性の音(潜水艦のアクティブ・ソナーみたいに)で警告するとかになるんでしょうか?
雨などの気候に左右されそうなのでだめかも。

ところで最近の車のCMって、車の紹介を全くしていないですよね?
エコカー減税のCMかと思ってしまいます。

ちなみにネコの聴覚は、それが優れていると一般的に認知されている犬と比較して、約2倍の能力があるといわれています。