半額だったのでさばく手間を考えても塩鯖より安いと思ったので。

鱗をとって、三枚に下ろして・・・なんて解体作業を続けていると思ったより身が少ない。
非常に骨太なんです。塩焼きで食べようと思っていたのですが。。。

ならばアラ煮へ変更。
というわけで頭の解体を始めたのですがなにかおかしい。
エラをとるだけなのに歯のような白い物体がグラグラ動く。

ゴロリ。

飛び出したそれは、どう見ても魚の一部ではない。


鯛の獲(タイノエ)
鯛の獲(タイノエ)
でた!

2匹!!

タイノエと呼ばれる寄生虫で、鯛の口の中から出てくる事から『鯛の餌』という意味でこの名前が付けられたらしい。
しかし調べてみるとどうやら鯛の舌に吸い付きその体液を餌としていて、実態は鯛の口の中に押し入って食べられるどころか食べてるそうで。。。



鯛の獲(タイノエ)2
鯛の獲(タイノエ)2
で、夫婦ででてくる事が多くて奥さんはお腹にいっぱいの卵を抱えていたりします。

こんな禍々しい姿をしていますが、その昔は縁起物とされており『鯛之福玉』と呼ばれていたそうです。







----- 以下記事要約

「魚名の由来」研究余話-鯛の九つ道具-坂本一男(東京大学総合研究博物)

江戸時代に数多く作製された魚類図譜は、外見を写生したものだ大半だったが。後期に出版された奥倉辰行の「水族写真」(1857年)には、鯛(マダイ)の体全体の骨格図があり、そのなかの『鯛名所之図』には「鯛の九つ道具」がその図に描かれている。

奥倉辰行「水族写真」<br />東京大学総合図書館所蔵
奥倉辰行「水族写真」
東京大学総合図書館所蔵
1)三ツ道具、左から鍬(くわ)・鎌(かま)・熊手(くまで)=上神経棘
2)鯛石(たひせき):扁平石(聴覚や平衡感覚に関係)
3)大龍(だいりゅう):前鋤骨・上篩骨・側篩骨(1対)・副蝶形骨
4)小龍(こりゅう):準下尾骨
5)鯛中鯛(たいちゅうのたい):肩胛骨・烏口骨(俗に言う『タイのタイ』)
6)鍬形(くわかた):第1神経棘
7)竹馬(ちくば):第2尾鰭椎前脊椎骨の血管棘
8)鳴門骨(なるとほね):肥厚した血管棘
9)鯛之福玉(たひのふくだま)←コレ!:等脚類の1種タイノエ

奥倉辰行「水族写真」には、「古來より」『鯛の九つ道具』を持っていると、『物に不自由なく、又福禄を得る』とある。

記事要約終了 -----

さて、タイノエはエビなどの仲間(甲殻類(コウカクルイ))らしいのでレシピでも調べてみたいと思います。